XMでは取引プラットホームとして世界標準のMT4に加え、最新のMT5が選択できますが、始めての方はどちらを選択すればよいのか迷うと思います。
MT4とMT5は概ね操作方法やインターフェイスが酷似していて、素に近い状態でトレードする分にはどちらを選んでも大差ありません。
また、XMでは追加口座を8個までは簡単に開設できるので、とりあえずMT4で作ってみて気に入らなければMT5口座を作るというようなやり方でも良いかもしれません。
ただ、MT4とMT5の違いをある程度知っていれば、無駄な遠回りはせずに済みます。
個人的には、2009年にFXを始めてから現在もMT4でトレードしていて、今のところは不満もなく、どちらかといえばMT4のほうがメリットが大きいように感じています。
今回は、XMのMT4とMT5の違いやメリットデメリットについて深掘りしていきます。
単純にそれぞれの違いを知りたい方は、もくじの「MT4とMT5の主な違いを比較」から読んで下さい。
XMアフィリエイトをやっている人は、XMの取引プラットホームであるMT4とMT5の違いについては理解しておいたほうが良いと思います。
もくじ
MT4とMT5の比較
MT4もMT5もメタクオーツ社が開発したトレードプラットホームです。
|
まず、MT4とMT4が現在に至った背景から、それぞれの具体的な違いの比較をしていきます。
MT4とは
MT4は2005年にメタクオーツ社からリリースされ、その優れたインターフェイスと使い勝手の良さから大人気となり、またたく間に世界標準のFXのプラットホームとなりました。
また新しいプログラミング言語「MQL4」が秀逸かつ難易度が低かったこともあり、無料で利用可能なカスタムインジケーターや自動売買用のEA(エキスパートアドバイザー)が世界中で無数に公開されたことにより、その地位を揺るぎないものへとしていきました。
現在でも、無料・有料を含めて膨大な数のカスタムインジケーターやEAが入手可能です。
MT5とは
MT4の進化版として2010年に公開されたのがMT5で、メタクオーツ社としてはMT5を主力として普及させたいようですが、世界標準となったMT4のインジケーターやEAと互換性が無いことから、発表から10年以上経過した現在でもMT5の普及は思うように進んでいないようです。
アプリケーションとしてはマルチスレッドに対応したことにより、最新のマルチコアCPUのパワーを有効に使うことが出来るようになるなど、内部的には大きく進化しています。
しかし、MT4のプログラミング言語「MQL4」とMT5の「MQL5」には互換性がないため、MT4で利用可能な膨大な数のカスタムインジケーターやEAがMT5では利用できません。
おそらく、この辺りがネックとなり普及が進んでいないのではないかと思います。
MT4とMT5の主な違いを比較
見た目や操作方法や機能面で問題となるような大きな違いは有りませんが、MT4とMT5の気になる違いについてまとめてみました。(2021年2月現在)
MT4 | MT5 | |
動作スピード | 普通 | 軽い(環境による) |
表示できる時間足 | 9種類 | 21種類 |
標準搭載のインジケーター | 52種 | 97種 |
対応業者(海外) | ほぼ全て | 少ない |
Mac対応版 | あり(*1) | あり |
カスタムインジケーター | 非常に豊富 | 少ない |
EAの種類 | 非常に豊富 | 少ない |
(*1)Mac版のMT4は、そのまま使うとフォントの問題により一部文字化けがあります。修正方法は「Mac対応MT4の文字化けの直し方」の記事をご確認下さい。
<動作スピード>
普通にチャートウインドウを3〜4枚開き、RSIや移動平均を何本か表示させる程度であれば、MT4もMT5でも違いは気にならないと思います。
厳密に言えばMT5のほうがメモリ使用量が大きいため、古いPCでメモリが少ない場合や激安ネットブックなどの場合はMT4のほうが軽い場合もあると思います。
MT5はマルチスレッドに対応しており、昨今のマルチコアCPUでメモリも豊富に積んでいる場合は、チャートウインドウを50枚くらい開いた場合でもMT4よりはモッサリしにくいという特徴があります。
それに対してMT4の場合はシングルスレッドなので、多コアCPUを積んでいても1コアしか使わないので、CPU性能を使い切ることが出来ず、チャートを大量に開いてインジケーターを多数入れたりすると動作が重くなる場合があります。
ただ現実的にはMT4の場合、チャートをたくさん開くときは複数のMT4でチャートを開くので、例えば4コアのCPUの場合は4つ以上のMT4を立ち上げてウインドウを分散させれば、結果的にはCPUパワーを有効に利用することができるのでモッサリ感は劇的に改善します。
特殊な使い方をすれば、動作スピードに差が出る場合もありますが、ここ5年以内のPCであればMT4であれMT5であれ問題なく軽快に動作すると思います。
<表示できる時間足>
MT5がサポートする時間足(クリックで拡大できます)
デフォルトではメニューバーに一部しか表示されていません。
チャートで表示できる時間足はMT4が9種類、MT5が21種類で詳細は下記の通りです。
表示可能な時間足 | 数 | |
MT4 | M1・M5・M15・M30・H1・H4・D1・W1・MN | 9種 |
MT5 | M1・M2・M3・M4・M5・M6・M10・M12・M15・M20・M30・H1・H2・H3・H4・H6・H8・H12・D1・W1・MN | 21種 |
使うのかは分かりませんが、MT5は表示可能な時間足は圧倒的に多いことがわかります。
<標準搭載のインジケーター>
標準で搭載されているインジケーターはMT4が52種類、MT5が97種類あります。
手持ちのMT4とMT5のナビゲーターウインドウを目視で数えたので、若干違うかもしれませんが、これも圧倒的にMT5のほうが多くなっています。
ただ、どちらもMAやMACDはじめメジャーなものは揃ってます。
<対応業者(海外)>
MT4であれば海外のFX業者はほぼ全て対応していますが、MT5の方はXMなどの大手から徐々に導入するところは出てきていますが、まだまだ少数です。
<Mac対応版>
Mac対応版はMT4もMT5も提供されています。
ただ、macOSの仕様が大幅に変わった場合などは対応版のリリースが少し遅れることもあり注意が必要です。
また、Mac版のMT4はフォントの問題で一部表示に文字化けが起こり、自分で修正する必要があります。
参考記事:Mac対応MT4の文字化けの直し方
<カスタムインジケーターとEAの種類>
MT4には有料・無料のものも含めて、それこそ無数のカスタムインジケーターやEAがあり、それが人気の理由の一つにもなっています。
それに対してMT5の方は、カスタムインジケーターやEAが非常に少ないのが実情です。
対応する言語のMQL5の仕様が変わったことなどもあり、MT4用のインジケーターやEAを簡単にMT5用に移植できないのが原因と考えられます。
MT4・MT5のメリット・デメリットを解説
前項ではMT4とMT5の違いについて比較してみましたが、実際にFXトレードをする場合にその違いが問題になるのかという、実用上のメリット・デメリットという観点で検証していきます。
動作スピードについて
MT5はマルチコアCPUを効率よく使うように設計されていますが、前項でも書いた通りよほど極端な使い方をしなければMT4との差は大きく出ないので、実用上はメリットともデメリットとも言えないのではないかと思います。
表示可能な時間足について
MT5は21種類もの時間足でチャートを表示することが出来ます。
しかし、6分足や10分足や12分足などの増えた分の時間足を利用している人がどの程度いるのか疑問です。
たしかに選択肢が増えることは良いことではありますが、個人的には全く必要性を感じません。
標準搭載のインジケーターについて
標準搭載のインジケーターはMT4で52種、MT5では97種に増えています。
ただ、一般的なものはMT4ですでに網羅されており、MT5でも搭載されています。
有名所のGMMAなどカスタムインジケーターをいくつかMT5の中で探してみましたが、残念ながら標準搭載はされていませんでした。
ただ、有名なものに関してはMT5でもカスタムインジケーターが結構あるようです。
EAやカスタムインジケーターの豊富さは?
MT4のインジケーターやEAの世界には無料のものだけでも数千を超える…いや、数万以上? どれだけあるかわからないくらい多くのものが存在します。
これは圧倒的にMT4の勝ちです。
この点が間違いなくMT4の最大のメリットです。
MT5のインジケーターも少しずつ出てきてはいますが、現状では圧倒的な差があります。
MT4かMT5? トレードスタイルから選んでみた
ここまではMT4とMT5の違いについて細かく見てきましたが、実際にどちらを選んだほうが良いのかを代表的なトレードスタイルに応じてまとめてみます。
シンプルな裁量トレード
トレード手法としては、水平線やサポレジやトレンドライン、フィボナッチやチャートパターン、プライスアクションを重視するようなトレードスタイルで、インジケーターを使ってもMAやMACDのようなメジャーなものしか使っていないの人の場合は、MT4でもMT5でもどちらでも良いと思います。
MT5だから勝てる…などということもないので、好みで選んでも大差ありません。
比較的新しいPCを使っていて、カスタムインジケーターに興味がなければ最新のMT5を選んでも良いと思います。
カスタムインジケーターを使った裁量トレード
カスタムインジケーターを使ったトレードをしていて、良いインジケーターがあれば試してみたいと考える人はMT4を選んだほうが良いでしょう。
無数にあるインジケーターを検証しながら、自分のトレード手法を構築したりブラッシュアップしている人は多いと思います。
EAを使った自動売買トレード
EAを使った自動売買に興味がある人や、実際に取り組みたい人は迷わずMT4を選びましょう。
現状、MT5でのEAは無料・有料も含めて非常に少数です。
まとめ
ここまでメタクオーツ社のMT4とMT5について、違いやトレードスタイルでどちらを選ぶかについて解説してきました。ここまで読んできた人はMT4とMT5について、ある程度イメージが掴めたのではないかと思います。
私自身が現在もっぱらMT4を使っていることもあり、ちょっと読み返してみるとMT5をディスっているような内容になっているのは申し訳ありません。
|
ここまで書いて言うのもアレですが、XMの場合は簡単にMT4でもMT5でも追加口座を作ることが可能なので、気に入らない所があれば乗り換えれば済むだけの話です。
ひどいオチですが…そもそも、MT4とMT5の違いや特徴を分かったところで、両方触ってみたくなるのが人情です。
🔎 この記事を読んだ人は以下の記事も読んでいます